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執筆者の写真三宅まこと

子どもを守るために狛江市で考えるべき視点

更新日:2019年5月31日


多くの取材ヘリコプターが自宅上空を飛行していた日から2日が経ちました。登戸の現場は狛江市のすぐ隣、目と鼻の先です。


こどもたちの安全を。今回のような凶行から守るにはどうすればいいのか?ひきこもりを家庭内に抱える8050問題をどうするのか?マスコミ報道で連日取り上げられています。市民の皆さんも非常に関心が高い問題だと思います。関心が高いからこそ、行政や議会で深く掘り下げていくべきだと思いますが、自治体が「取り組むべき課題」は様々な因子が複層的に絡まり、一朝一夕には解決できない問題です。狛江市の市議会議員である私は、テレビのコメンテーター諸氏のお話を参考にしながらも狛江市の実情に即した論点を考えています。


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私は基本的に毎朝、愛犬たくの散歩をしています。小さなこどもたちの通学は日常の風景です。今朝はPTAの親御さんが付き添いしている一組の集団登校に会いました。それ以外はいつもと変わらぬ風景、基本はこどもたちだけ2人以上での登校、散歩時間中に一人だけの登校している少年も一人だけ目にしました。運用としては、親御さんが近所のおうちのハブとなるおうちまで我が子を連れていき、そこからは子供たちだけで集団登校という方法をとっているそうです。狛江は、人口が密集しているんで、通勤途中のサラリーマンの方々も若干の遠回りがあるかもしれませんが、それほどの負担を感じないかもしれません。小さい街ならではのメリットです。

 こうした子供たちを一人にしないで地域で見守るということが極めて有効だと思います。同時に、子供たちの安全を守るコストも、限られた財源の中で無尽蔵にかけられるものでもありません。


 そこで、狛江市がどういう方向で子どもたちを守るべきなのかという視点が必要です。欧米では、子供を一人だけで登校といったことは考えられないといいます。裏返せば、それだけ日本の安全は、世界でも誇れるもの。さらに言えば狛江市は都内で一番安全なまちと言われています。東京都23区26市で人口1000人あたりの刑法犯発生件数は4.55件、実は都内で狛江市は最小です。(平成30年集計)


 なぜ狛江が東京都全自治体で犯罪件数が少ないのか?その理由を徹底的に掘り下げていくべきだと考えます。果たして自治体がきちんと安全対策に取り組んできたからの結果なのか?それ以外の理由は何が考えられるのか?いくつかの因子を列挙してみます。


① 狛江は市の面積は都内最小(6.39k㌔平方メートル)、1㌔平方メートルあたり人口密度は13,000人、すなわち人口密集地域。

② 市内の標高差が東京湾起点で最高ポイントと最低ポイントの差が19メートルときわめて平坦。

③ 地政学的に世田谷区と調布市の隣、市の西側は多摩川、且つ国道に接していない。

④ 昼夜間人口比率0.738は都内最小という、典型的なベッドタウン。

⑤ 人口は近年急増。そのほとんどは小さな子供さんを持つ30~40台の世帯という傾向。

⑥ 前市長が「日本一安心安全なまち」を標榜し、市内に一台もなかった防犯カメラを市内各所に設置してきた。


 犯罪は人口が多い街で多くなる傾向となりますが、狛江も人がわんさと住んではいますが、都内随一といってもいい死角が少ないフラットでこじんまりした街に住んでいることになります。仮説ですが、狛江市の犯罪が少ない結果となった大きな要因は、狭い範囲の中で人と人の距離が近く、目が行き届きやすいということが大きなメリットになっていると考えられます。ましてやベッドタウンは昼間、市内が閑散となる傾向になりがちですが、市域が小さい分、昼間に多くの人を目にすることになります。そして、(偏見かもしれませんが)相対的に一定のレベルで民度の高い市民が住まわれているのだと思います。


 狛江市がこどもたちをどう守っていくのか?という社会的課題に関して明快な解はありません。それでも、さきほどの仮説から導き出されることは、たとえば政府の「わがまち、丸ごと」的な考え方を深化させていくこと。すなわち地域住民主体で安心安全な街を作る中で、子供たちの安全を考えていくべきだと考えます。それを実現させていくために行政組織のフラット化は不可欠だと思います。あるいは、市民の側、私たちにも大きな責任と役割があります。


 最近言われている「まちづくりの基本」は、自分たちの街の魅力を見つめなおして、磨きあげて、まちを創っていくこと。狛江市の安心安全を自分たち自身で磨きをかけていく、我々にはそれだけの大きなポテンシャルがあります。

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